キリムとはいったい何か?

キリムとはいったい何か?

 

「キリム」という言葉、商品をご存じでしょうか?

 インテリアに興味のある女性あたりは知っているかもしれません。実はこのキリムという商品生んだきた歴史を見てみると、非常に面白い背景と価値のある存在あることが見えてきます。 キリムを一言で説明すると、遊牧民の生活の中で生まれた織物です。もともとはキリム織りと呼ばれている織り方で作られた様々な商品をキリムと呼びますが、代表的なキリムの商品イメージは敷物としてです。遊牧民とは中央アジア(ピンク色地域)から中東(緑色地域)、北アフリカにかけての地域に多く存在しました。遊牧とは、牛やラクダや羊などの大型動物を育てながら食料確保をする”牧畜”を行なってきたスタイルの一つです。そしてその牧畜を定住せず一年中、移動しながら行う集団が遊牧民です。現在はそのように移動しながらの生活をしている人々の数は減少していますが、モンゴル国(現在の中国の北側にある国)を中心にわずかに実在しています。

 

 そんな遊牧民の女性たちが、生活スタイルに合わせて手織りで製造してきたものがキリムです。キリムの中にもたくさん種類が存在しますが、それらは主に細かい織り方による違いや、製造した民族の違いからくるデザインの違いなどによってです。キリムはおよそ1500年の歴史を持つといわれ、長期に渡って彼らの実用的な生活の道具としてや娘の嫁入りの持参品として、それぞれの部族の伝統を守りながら、織り手である女性たちの手で代々伝え継がれてきました。現在はその商品や織り方(キリム織り)が、価値ある伝統的な文化として人々を楽しませています。

 

(大きさや柄もさまざま)

 

 では、そんなキリムをより具体的にひも解いてみましょう。カギとなるのは、遊牧民が多くいた中央アジア周辺地域の環境や状況です。遊牧民はどのような生活をしていたのか、なぜ移動しながら生活をしていたのかということです。

 遊牧民は中央アジア地域を中心に存在してきました。彼らが移動をして求めてきたものは、牧畜に必要な豊富な水と草です。なぜなら中央アジアは環境的に雨があまり降らず、川も少なく乾燥しているので水が少ないです。冬はとても寒いので農業にも適していません。また動物たちの餌である草が枯渇しないように、一か所の草を食べ尽くさず回復をさせる必要があります。そのために定期的に移動していく必要がありました。したがって彼らは、短期間で定期的に適した場所を、基本的には周るように移動してきました。

 仕事内容において男女に違いがありました。家畜の飼育は、男性の仕事です。男性たちは、家畜を連れ草原に出かけます。力仕事や春秋の家畜の毛を刈る仕事も受け持っていました。一方女性たちは乳搾りや家畜の世話、家事などが仕事の中心でした。そんな女性たちが一仕事として行っていたのが、キリム織りです。基本的には羊毛(ウール)、まれにヤギの毛やコットンなどを紡いだ糸で織られました。キリムは厚さや大きさ、形はさまざまで、敷物としてだけでなく袋状にして布団や衣類の収納に利用したり、穀物など食品の貯蔵に使ったり、時にはテントでくつろぐソファやカーテンのような仕切り、テーブル代わりといったインテリアでもありました。ラクダの背に乗せる道具、ときには赤ちゃんのゆりかごにもなり、そして彼らにとって最も大切な神への祈りを捧げるスペースとしての存在でもあったのです。そうして作られ用途が多様化していったキリムは、常に移動を続ける遊牧民の生活では、折り畳んで持ち運べる手軽さが必要不可欠でした。現在でもわずかに残る遊牧生活を営む人々、季節によって定住と遊牧を行う半農半遊牧の人々にとっては生活必需品であり、遊牧民たちの交易によって広がっていった敷物としてのキリムは、近代した人々の生活に今も根づいているのです。

 

 その長い歴史の中で、独自のテクニックを発展させてきたキリム織り。染色やデザイン、織りの技術などを向上させ、美しい色や模様は、遊牧民の厳しい生活を彩り、喜びを与えてきました。彼らを癒し和ませる装飾品としても愛されてきたのです。羊やヤギ、時にはラクダの毛を苅り、紡いで出来た糸を染めて織ってゆきます。すべては移動の生活の合間に行われる自然の条件まかせの手仕事で、大変な作業です。彼女らは身の回りの動物や植物、美しい風景の形や色からインスピレーションを得て、キリムにを織り込みました。その地域や部族で受け継がれる伝統的な色使い、デザインや模様などもあります。イスラム教が定着してからは、規則に従う生活の中で、女性たちはさまざまな思いや祈りをキリムに込めるようになり、その表現はいっそう広がりを持ち、より優れたものとなっていきました。キリムの芸術的な美しさは、このような生活の中で受け継がれ養われた女性たちの豊かな表現力によって高められてきました。キリムは遊牧民の伝統文化であり、芸術となったのです。

 

 そんなキリムは次第に世に知られ、その価値は多くの場所で高く評価されるようになりました。今日では、当時織られた本物のキリムを真似て機械で生産されたものが、世界的に市場に出回っています。その一方で当店にあるような手織りによる本物のキリムは多くは残っておりません。記事の最後に本物のキリムの大きな特徴として次の5点を挙げていきます。

 

①季節や空間雰囲気を問わない

 まず長年培ってきた遊牧民女性たちの技術によって作られたキリムは、季節や気候を問わず、またどんな空間スタイルにも合います。それはもちろん彼女たちの製造技術とセンスが一級品であることはもちろんですが、そもそも厳しい移動生活の中で、様々な気候や空間、用途に対応する商品でなくてはなりませんでした。近代化した現代の生活でも、同じように季節や空間スタイルをほとんど問いません。

②手軽さ

 2点目は先ほども少し触れましたが、移動生活の中で商品が生まれたので、移動しやすいようとても商品が手軽です。現在に残っている敷物としてのキリムは今でも、他の絨毯やカーペットなどに比べるとそのような特徴があります。

③独特なデザイン

 3点目は見た目としての大きな特徴である、独特なデザイン(柄)が挙げられます。幾何学模様と呼ばれる円や正方形、三角形などで構成した模様がたくさん使われています。女性たちが思いを込めて描いてきたものでありますが、このような模様である理由としてイスラム教の影響があります。偶像崇拝を禁止しているイスラム教では、花や鳥、人物などの具象柄は使えません。そのため、柄を表現したいときは、幾何学模様で表現をしてきたと伝えられています。

④一品ものである

 4点目は、本物のキリムは一品ものであることです。当店にあるような本来の手作りのキリムは、全て一品ものであり、どの商品も世界で1つしかないオンリーワンのものです。これは本物キリムならではであり、商品に愛着が沸いてくる大きな要因であるはずです。

⑤丈夫さ

 最後にこれまでの説明でわかる通り、キリムは特別な製造状況や技術力によって、たいへん丈夫に作られています。基本的には一生使えると言われている品質の高さです。また高級なジーンズのように、長く使えば使うほどキリムにも良い味が出てきます。要するに長く使うほど良い商品になり、愛着が沸き、特別な存在になっていくのです。

 

https://shop.flyingcarpet.co.jp/

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