「ギャッベ」と「キリム」の違いは何か?

 

今回は「ギャッベ」と「キリム」の違いについてひも解いていきます。

 ギャッベもキリムも一言で表すとずばり、遊牧民の生活の中で生まれた織物です。一言で表したら全く一緒の商品ということになってしまいます。より噛み砕いていくと少し違いがあることがわかってきます。

          

       (キリム)                        (ギャッベ)

 

 まず、キリムと同じくギャッベという商品を生んできたのは、牛やラクダや羊などの大型動物を育てながら食料確保をする牧畜を、定住せず一年中、移動しながら生活する形で行ってきた遊牧民です。彼らの手織りによって文化が生まれました。しかし同じ遊牧民ではありますがギャッベとキリムは作った遊牧民の地域が違います。キリムは、中央アジア地域を中心に中東などにかけて存在した遊牧民のものです。地域環境の特徴としては、乾燥していて、草がたくさん生えていることです。一方ギャッベは中東のイランという国の南西部あたりにいた遊牧民によって生産されました。イラン南西部は、地理環境としてはそれなりに標高が高く、山岳地帯が多くあるところです。そして地面には石ころが多く転がっていて、たいへん不安定で堅い地盤であるのが特徴です。

 キリムもギャッベも素材はともに羊毛(ウール)でできています。しかし最も大きな差は商品の厚みに出ています。ギャッベはだいたい1~2cmほどの毛足があり、フカフカとした肌触りになっています。それはなぜかなのか。それはさきほど記載したように、イランの山岳地域の地面は、石が多く転がっていて堅いので、敷物が分厚くないと座っても身体が痛むからです。このような背景からギャッペは、座るために敷くことへ特化した商品となっています。一方キリムは地面に敷くこと以外にもテーブルにかけたり、布団になったりなど、用途に幅がある商品となっているのが違いです。したがってギャッベは敷くことに特化しているので絨毯(カーペット)の1種類です。キリムも絨毯の種類の一つではありますが、それ以外の側面もあるというのが立ち位置であります。

(厚みがある)

 

 ギャッべの中にも色々なデザインがあります。それはキリム同様、細かい民族や地域の違いによるものです。ちなみにギャッベはペルシャ語で「ざっくりとした、粗い」というあまり良い意味ではありません。これはイランには、シルクで作られた、王室などで使われてきた高級なペルシャ絨毯があり、それと比べて比喩されたことから名づけられました。しかし近年ではその素朴な雰囲気とキリム同様抜群の品質の高さで、価格もペルシャ絨毯に比べて庶民的であることもあり、人気な商品の一つとなっています。

 改めてギャッベとキリムの違いをまとめると、

ギャッベ:イランの山岳地帯の遊牧民が製造した、毛足が長く地面に敷くことを目的としている。

キリム:中央アジア地域を中心に乾燥地帯にいた遊牧民が製造、敷物としてだけでなく、掛物や布団など用途に幅がある。

 共に素材は羊毛(ウール)が素材。遊牧民がつくったものなので、とにかく丈夫で(一生使えるといわれている)、持ち運びやすく、季節や空間スタイルに左右されない、そしてオンリーワンの一品ものである点などは共通してます。

 

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